No.104:世田谷の八幡宮の謎(1)[東京]
(2010-10-31 22:58:49) by 松永英明


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◎古墳まつりと八幡塚

10月16日(土)、17日(日)の二日間、世田谷区立野毛町公園内の野毛大 塚古墳で「古墳まつり」が開かれました。

多摩川に近いこの野毛大塚古墳は都内では有数の古墳です。まあ、奈良で 生まれ育ち、母方の祖父母の家が大阪府堺市の履中天皇陵古墳の近くにあ ったという環境の私からすれば、古墳というのが身近にない方が不思議な 感じなのですが、23区内にある古墳を見るとやはり登って遊びたくなりま す(そういえば、小学校のころは藤ノ木古墳に友達と一緒に登って遊んだ こともよくありました)。

というわけで野毛大塚古墳に登ったりした後、世田谷区教育委員会の方の 案内で「野毛古墳群散策」に行きました。この一帯から大田区の多摩川駅 近くまで、多摩川沿いの丘の上に古墳群があります。その中で今も形をと どめているいくつかの古墳をめぐるというコースでした。

当日歩いたコースはこちら

(古墳群散策の解散後も勝手にずいぶん歩いています)

このあたりの詳細はまた改めて報告するとして、このコースの最終地点が 「八幡塚古墳」と呼ばれる場所でした。

八幡塚という名称は、この古墳が宇佐神社の一画にあることから名付けら れています。宇佐神社はすなわち八幡神を祀った神社であり、八幡宮・八 幡神社と呼ばれる神社と同じ系列の神社ということになります。

そこで、私は宇佐神社の地形を確認しました。そして、今までの仮説と一 致することを発見したのです。

◎「世田谷区の八幡神社は丘の南斜面?」

実は少し前から世田谷区内の八幡神社について、ちょっと気になることが ありました。というのは、「八幡神社が丘の南斜面に置かれているのでは ないか」という仮説です。

下北沢に近い二つの神社、北沢八幡神社と代田八幡神社は、いずれも北か ら南へ延びる丘の最南端、急に下がって低地に下るところに建てられてい ます。北沢八幡の場合はすぐ南を北沢川が流れており、これはまさに谷・ 沢のすぐ北に神社があるということです。また、代田八幡は環七のすぐ横 にあり、これも代田の丘が急に下って梅ヶ丘の低地に下りる境界のところ にあります。

しかし、八幡神社、あるいは神社というのは別に「丘の南端」にあるとは 限りません。たとえば、最近「妖精が見える神社」という奇妙な都市伝説 で話題の「大宮八幡宮」(杉並区)は、北側を川が流れており、神社のす ぐ北が崖になっています。つまり、「丘の北端」にあるともいえます。

あるいは八幡神社の本家本元、大分県の宇佐八幡神社も北側を寄藻川(呉 橋川、月瀬川、浅瀬川)が流れており、東側をその支流が流れていますが、 丘の南斜面にあるわけではありません。

では、北沢・代田が共通しているのは単なる偶然かとも思ったのですが、 そういえば宮の坂駅の名前の由来ともなった世田谷八幡神社は、やはり丘 の南斜面にあり、その隣の「宮の坂」は北から南に下っています。

「世田谷七沢、八八幡」という言葉もあると聞きました。どれが七つの沢 でどれが八つの八幡神社かは正確には定まっていないようですが、北沢・ 代沢・世田谷の三つの八幡神社は由緒も古いようで、「八八幡」のうち三 つに含まれることは間違いないでしょう。その三つが揃って「南斜面」と いうのはどういうことか……?

ゲニウス・ロキ探偵、調査開始です。

◎宇佐神社

そうして野毛古墳まつりに戻ります。このとき、実は八幡神社とはまった く関係ないと思っていたのですが、さにあらず、何とゴールが「八幡塚古 墳」……どう考えたって八幡神社と関係あるはずだ、と思ったら、実際に そこに宇佐神社があったわけです。

古墳群散策が解散になったあと、多くの参加者はそのまま野毛大塚古墳の 方に戻っていったのですが、私は宇佐神社の方へ下りていきました。

その境内はまさに「野毛の丘陵地帯の南端」にあり、多摩川方面の低地が よく見えます。鳥居は丘の下、神社は丘の斜面、そして台地の上に古墳が 築かれているという仕組みです。

このあたり、中沢新一氏の『アースダイバー』の読者の方であれば、ああ、 古墳時代からの聖地がそのまま後世にも神社という形で聖地として受け継 がれたのだな、それが位置する場所が丘の突端=「岬」であるというのも セオリー通りだな、と思われるかもしれません。

まあ、中沢氏の理論も結構思いつきの部分が多いのですが、今回ばかりは アースダイバー理論適合地となっていることは認めざるを得ません。

世田谷区内の八幡神社、北沢・代田・世田谷に次いで4つめの「丘の南斜 面に建てられた八幡神社」が確認されたのです。

Tags: 世田谷, 八幡神社

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