ウェブログとマスメディアの関係[01.ウェブログ超入門!]
(2004-06-23 18:08:48) by 松永英明


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※以下の記事は、もともと『ウェブログ超入門!』の原稿として書かれたものです。しかし、初心者向けにはメディア論は難しいところもあるので、一部カットとなりました(妥当な判断です)。以下、削除された「ウェブログとマスメディアの関係」原稿を掲載します。したがって、内容的にはやや専門的な内容となります。

■ウェブログはマスメディアに取って代わるか

●ウェブログとジャーナリズムの違いはどこにあるか

 英米圏のウェブログが爆発的な人気を得たきっかけが、9・11事件後のウォーブログであったため、「ウェブログは既存のマスメディアに取って代わるのではないか」といった論調も出ています。あるいは、「ウェブログによって今までのジャーナリズムが大きく変化する」とか「次世代ジャーナリズムである」という見方もあるようです。

 ウェブログ型の情報発信は、既成のマスメディアとどのように違うのでしょうか。これについて、二〇〇三年十月十六日、メディア評論家ジェイ・ローゼンはウェブログ上で「ジャーナリズムにおけるウェブログ形式は何が急進的なのか?」という記事を発表しました。また、それを受けてメディア・コンサルティング&デザイン工房「HypergeneMedia」のウェブログでも補足意見が述べられています。

 ここで挙げられた項目をもとに、ウェブログと今までのジャーナリズムの違いをまとめてみましょう。

○旧来のジャーナリズムはプロの領域であり、素人はお客様である。。

 ウェブログは素人の領域であり、プロはお客様である。

○旧来のジャーナリズムは、参入への障壁が高い。

 ウェブログでは、参入への障壁が低い。資本はほとんど必要ない。

 この二項目は、一般の人がジャーナリズムに参入しやすいシステムこそがウェブログであると述べています。つまり、だれもがジャーナリストになれる手段としてウェブログがある、という見方です。

○旧来のジャーナリズムは書き手と読み手が分かれている。

 ウェブログでは、読者は同時に書き手でもある。他の書き手のために書く。

○旧来のジャーナリズムでは、担当編集者が読者の代理を務めた。

 ウェブログでは、読者が編集者の代理を務めてくれる。

○旧来のジャーナリズムは、内容を作成するときに読者が関与しない。

 ウェブログでは、読者が関与して記事を作るので、読者との緊密な関係が作られる。

○旧来のジャーナリズムでは、読者は受動的にニュースを消費するだけ。

 ウェブログでは、読者と共同作業・会話して記事を作るため、有意義な経験をもたらす。

○旧来のジャーナリズムでは、双方向コミュニケーションを提供しない。

 ウェブログでは、対話性があり、読者参加が可能であるため、若者を引きつける。また、読者の意見を取り入れ、協力することで、正確で興味深い記事を生み出すことができる。

 この五項目は、「ウェブログでは情報の発信者と受け手の区別がなくなり、共同作業が行なわれる」というようにまとめることができます。一方的な情報発信ではなく、多数の人の共同作業によって情報が組み立てられるのがウェブログというわけです。つまり、「新聞は講義であり、ウェブログは会話である」というふうにまとめることができるでしょう。

●ウェブログとマスメディアは補完し合う

 しかし、「ウェブログ」対「旧来のジャーナリズム/マスメディア」といった対立には疑問を示すブロガーも少なくありません。「ウェブログがマスメディアに取って代わる」というのはあまりにも極端な話です。むしろ、ウェブログとマスメディアはお互いに補い合うようになるという見方が妥当ではないでしょうか。

 実際には、ウェブログとマスメディアの融合も始まっています。たとえば、現在、まだ少数ではありますが、ジャーナリスト自身がマスメディアのサイト内でウェブログを始めているところがあります。英国の進歩系新聞ガーディアンのサイトや、日本のIT系ニュースを伝えるCNETでは、記者によるウェブログが開設され、効果的に話題を掘り下げて伝えています。

 その一方で、少数のブロガーがアマチュア・ジャーナリストといえるような情報を独自に収集して伝えるようになっています。たとえばブロガーのイベントがあれば、翌日には参加者による詳細なレポートがいくつも読めるのは、その一例と言えるでしょう。

 また、マスメディアの報じない独自ニュースを掘り起こして伝える人たちもいます。カリフォルニア大学バークリー校のケルヴィン・ディーニハンは「カルスタッフ」というウェブログで、学校やバークリー市のローカルニュースを独自に流してきました。それは地元新聞などに取り上げられることもしばしばありましたが、大学入試問題に関するトラブルについてのウェブログ記事は、世界的にも有名な大新聞「ロサンゼルス・タイムス」に引用されたのです。

 そこまで行かなくても、マスメディアの情報に対して批判や補足を加えたり、意見を述べるという意味で、ウェブログはマスメディアを補う役目を果たしていると言えます。

Keywords: massmedia

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